普段、当院シンメディカルでは「筋肉増強外来」として、アナボリックステロイドをボディメイキングや筋肉増強の目的で提供しています。しかし、アナボリックステロイドは単にドーピングや競技スポーツで使用されるものではありません。実際には、医療現場で適切に応用された、重要な治療薬としての一面があります。
アナボリックステロイドは、医師の厳格な管理のもとで使用される場合、安全に効果を発揮し、患者の生活の質(QOL)の向上や疾患からの回復をサポートします。一方で、個人の判断で身勝手に使用する場合、副作用や健康被害が多発しているのが現実です。例えば、適切な知識や監督なしに過剰使用すると、肝臓や心臓への負担、ホルモンバランスの乱れ、精神的不安定など、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
アナボリックステロイドの個人使用が当たり前になりつつあるアメリカでは、こうした乱用に起因する健康被害が社会問題となっています。多くの人が筋肉増強やパフォーマンス向上を目指して無計画に使用し、副作用に苦しむケースが増えています。このような状況を受け、一部では「いっそアナボリックステロイドの使用を容認し、医師の管理下で安全に使用させる方が社会全体の利益になるのではないか」という議論も生まれています。
当院では、こうした現状を踏まえ、アナボリックステロイドの安全な使用を推進することを目指しています。医師が管理することで、使用目的や個人の健康状態に応じた適切な投与計画を作成し、副作用のリスクを最小限に抑えながら最大の効果を得ることが可能です。無秩序な乱用がもたらす社会的な問題を防ぐためにも、医療機関での管理の重要性がますます高まっています。
本記事では、アナボリックステロイドが医療分野でどのように活用され、どのような目的や意義を持つのかを詳しく解説します。また、安全な使用を実現するためのポイントについてもご紹介します。
アナボリックステロイドは、男性ホルモン(テストステロン)に似た化合物で、筋肉や骨の成長を促進する効果があります。医療分野では、適切な適応基準のもとで厳格に管理され、患者さんの症状や目的に応じて慎重に使用されます。
主な作用として以下が挙げられます:
筋肉タンパク質の合成促進
骨密度の増加
窒素保持を改善し、筋肉の分解を抑制
ホルモンバランスの調整による全身の健康維持
これらの効果を活かし、アナボリックステロイドはさまざまな疾患や症状の治療に役立てられています。
加齢に伴う筋肉量と筋力の低下は、転倒や骨折のリスクを高め、生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。アナボリックステロイドを使用することで、筋力や活動能力を回復させ、患者さんが自立した生活を続けられるようサポートします。
がんやHIV/AIDS、慢性心不全などに伴う体重と筋肉の極端な減少(カヘキシア)は、患者の全身状態を悪化させる要因となります。アナボリックステロイドは、筋肉量の維持と体力の回復を助け、治療中の体調管理に大きく寄与します。
手術後に筋肉量が著しく低下する患者に対して、アナボリックステロイドを使用することで筋タンパク質の合成を促進し、早期回復をサポートします。これにより、リハビリ期間が短縮され、日常生活への復帰が早まります。
交通事故やスポーツ外傷など、深刻な外傷を負った患者の筋力回復をサポートします。特に長期間の安静が必要な場合、廃用性筋萎縮を防ぐ目的で使用されます。
加齢性低テストステロン症
加齢に伴いテストステロン分泌が低下すると、筋力低下、性欲減退、疲労感、うつ症状などが現れます。アナボリックステロイドの補充療法を行うことで、ホルモンバランスを正常化し、筋肉量と骨密度の改善、さらには心理的な安定を図ることが可能です。
病的な性腺機能低下症
下垂体腺腫や精巣損傷などによる性腺機能低下では、自然なテストステロン生成が著しく低下します。アナボリックステロイドは、こうした患者における筋肉量の維持や全身の活力向上に役立ちます。
骨密度が低下して骨折リスクが高まる骨粗しょう症に対して、アナボリックステロイドは骨密度の増加を促し、骨折の予防に寄与します。特にビスフォスフォネートやデノスマブなどの通常治療が効果を示さない場合、補助療法として検討されることがあります。
進行性の筋力低下を特徴とする遺伝性疾患である筋ジストロフィーにおいて、アナボリックステロイドは筋肉量の維持を支援し、疾患の進行を遅らせる役割を果たします。
リウマチ性疾患や炎症性腸疾患などの慢性炎症性疾患では、全身の炎症とともに筋肉量が減少します。アナボリックステロイドは、こうした患者の筋肉量を維持し、日常生活の活動能力を高めるために使用されます。
アナボリックステロイドは、医療現場で科学的根拠に基づく治療として使用されており、筋肉量の維持やホルモンバランスの調整など、多くの病態で効果を発揮します。当院では、筋肉増強外来としてのボディメイキングに加え、医療的な用途にも目を向けています。アナボリックステロイドの使用を検討されている方や、症状に関してお悩みの方は、ぜひ医師にご相談ください。
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