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筋肉増強外来

最強の筋肉増強経口薬

2024.12.13

こんにちは。シンメディカルクリニックのドクターのはまだです

今日の内容は経口タイプのアナボリックステロイドについてです。

その中でも、オキシメトロンを例に解説していきたいと思います

オキシポロンとは?

オキシポロンはオキシメトロンという経口ステロイド剤の中でも効果が高く、個人使用をされる方の中でも玄人用の経口ステロイドです。結論としましては、当院はオキシメトロンをはじめ経口内服型のアナボリックステロイドの使用は推奨しておりません。

肝毒性や女性化乳房、精神的な影響(ロイドレイジ等)への影響を考慮しての理由でございます。

アナボリックステロイドの作用でロイドレイジ。所謂『躁状態(躁病ではない)』になることは、用量依存性(内服する量によって)に起きる可能性があります。

なぜか?

注射薬と経口薬の大きな違いは、肝臓へのダメージ量と摂取量の調整が難しいことが挙げられます

まずは肝臓へのダメージについて

口から摂取した薬剤の多くは胃で消化され、腸で吸収、さらに肝臓で代謝されます。

通常、ステロイドホルモンは消化管から吸収され、肝臓を通過するときに代謝(ファーストパス効果)され、活性が失われやすい性質があります。代謝されると言うことは、効果が薄くなるってことなんです。

せっかくアナボリックステロイドを摂取しているのに効果が半減したら悲しいですよね?

それを解決するために考案されたのが 17α-アルキル化 です

17α-アルキル化の功罪

まず、「17α-アルキル化」という言葉、聞いたことがある方も多いかもしれませんが、簡単に言うと、アナボリックステロイドを経口摂取可能にするための化学改変のことです。

ステロイドホルモンは、肝臓を通過するときに代謝されやすく、ほとんどが無効化されてしまいます。でも、17α-アルキル化を施すことで、肝臓で分解されにくくなり、体内でしっかり働いてくれるようになるんですね。

メリットとしては、注射を使わずに経口摂取が可能になること。

しかし、めちゃくちゃ厄介なんです。当院が経口薬を推奨しない理由

これね肝臓に大きな負担をかけてしまうんです

17α-アルキル化して肝臓に代謝されにくくなると言うことは、長く肝臓に留まるってことなんです

これが肝障害のリスクを一気に引き上げる

では、この17α-アルキル化が肝臓にどう影響するのか、詳しく見ていきましょう

肝臓に負担が増加

肝臓は体内の「解毒工場」のような役割を持っていますが、17α-アルキル化されたステロイドは代謝されにくいので、肝臓に長時間とどまります。これが原因で、肝酵素(ASTやALT) の値が上昇し、肝細胞にダメージを与えることがあります。

胆汁うっ滞

さらに、胆汁の排泄が阻害されることもあります。これが進むと 黄疸 の症状が出たり、肝機能がさらに悪化することがあります。目や皮膚が黄色くなる症状ですね。

肝毒性の増加

長期使用や高用量使用では、肝腺腫(肝臓の良性腫瘍) や、さらに進行すると 肝細胞癌(肝臓がん) のリスクも増加します。

特にオキシメトロンはアナボリックアンドロゲン比が7:1と経口薬の中では作用が強い部類に入る薬剤です。その分副作用も強く出現します。さらに17α-アルキル化されているため肝臓の負担が大きいんです

さらに重要なことが2つ。

個人的にはかなり大きなデメリットなんですが

オキシメトロンを使うとAGAが進行します。治療薬が効かない

オキシメトロンはジヒドロテストステロン由来の作用を模倣するので、AGA(男性型脱毛症)の治療薬をPCTで使用しても症状の進行はとめられません。ジヒドロテストステロンとはAGAの直接的な原因である悪玉男性ホルモンです。詳しくは過去の動画で紹介していますのでそちらも参照ください。当院はAGA治療もやっておりますのでかなり詳細に解説しています

あとね、、、医学的に仕組みが明らかになっていないんですが、

女性化乳房のリスク大。予防治療薬が効かないんです。

オキシメトロンは女性化乳房にもなりやすいんです。正確に言うと予防治療薬が効かないんです。

こればかりは何故かわかりません。

アロマターゼ阻害薬が効かない特性があり、使用は非常にリスクのある製剤です。

ではなぜ、こんなリスクのある薬剤を使うのか?

それはオキシメトロンがかなり強い筋肥大効果を発揮するからです。

とは言っても、注射薬には敵わないですが、針を刺さずに手軽にバルクアップできると言う利点が人気の原因でしょうね

そして赤血球の増加効果も高い。

この特性は、貧血治療の医療用途として開発された背景にもつながっています。

まとめましょう。

オキシメトロンのような経口のアナボリックステロイドには、注射薬のステロイド製剤と比較して特有のリスクや副作用があります

肝臓にダメージ

アロマターゼ阻害薬が無効


オキシメトロンの女性化作用はエストロゲン変換を介さないため、一般的なアロマターゼ阻害薬では対処できません。このため、副作用のコントロールが非常に難しい薬剤とされています。

AGA(男性型脱毛症)のリスク


オキシメトロンはジヒドロテストステロン(DHT)類似の作用を持つため、男性型脱毛症(AGA)が進行しやすくなります。治療薬であるフィナステリドやデュタステリドも効果がないことが多いです。

    経口タイプのアナボリックステロイドは、肝機能に大きな負担をかけることが多いです。肝障害やその他の副作用のリスクが高まるため、経口薬は推奨されません。世間に流通しているアナボリックステロイドの多くは経口タイプですが、それは安全性の観点から間違った選択です。当院では、厚生労働省やFDA(米国食品医薬品局)に認証されたアナボリックステロイドの注射薬のみを使用しており、これにより安全で効果的な治療を提供しています

    それでは、次回のコラムもお楽しみに🤗

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